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気管支炎と漢方について

冬に入り寒暖差、乾燥が強くなり咳、喘息、気管支炎のご相談が増えてきました。病院にて吸入薬、咳止め、去痰薬などを服用しコントロールされている方がほとんどですが、風邪の後に咳が長引いたり、または咳止めや去痰薬が効かず咳、痰が長引きご相談に来られる方が多くいらっしゃいます。
まずは、気管支炎の西洋医学的な視点で解説していきます。

気管支炎とは

鼻や口から吸った空気は喉を通り、気管・気管支を通って肺までたどり着きます。
気管支炎とは、気管と気管から枝分かれする気道(気管支)にウイルスや細菌が入り込み炎症を起こすことです。一般的な風邪はこのうち、喉(上気道)で感染・炎症が起こって咳や痰などの症状が現れる病気をまとめたものです。インフルエンザウイルスやRSウイルスなどへの感染やマイコプラズマや百日咳菌といった細菌、ガスや微粒子などの刺激も原因になることがあります。このウイルスや細菌の病原体を外に出すために、分泌液が痰となり、咳をして体外に排出します。症状としては、発熱、咳、痰、鼻汁など風邪症状が出ます。
一方、気管支炎は風邪よりもさらに奥の気管支(下気道)で炎症が起きることで症状が現れる病気の総称です。感染だけでなく、慢性的な病気がきっかけとなることもあります。

気管支炎の分類

  • 急性気管支炎
    咳などの呼吸器症状が数日〜数週間続いているもので、ウイルス感染が原因となることがほとんどです。
    通常、急性気管支炎は、ウイルス感染によって発生します。上気道炎症状(風邪症状)が出てから3~5日後に気管支炎が発症します。風邪の症状がみられた後に咳が出る場合は、一般に急性気管支炎を疑います。
    呼吸器症状としては、強い咳(初期には乾いた咳であり、そのあと痰の絡んだような湿性咳嗽となる)、痰があり、子どもでは、もともと気管支が細いことから喘鳴(ぜいめい・息を吐く時に生じるヒューヒューという呼吸音)を伴うことも多くなります。
    通常、ウイルスによる場合が多いのですが、一旦解熱したあとに再び発熱する、発熱期間が長い、全身状態が悪化してくるといった症状が認められる場合は、細菌感染の合併が疑われます。
    喫煙者や肺疾患の持病があると繰り返し感染を起こすリスクが高くなります。

  • 慢性気管支炎
    慢性気管支炎は呼吸器症状が数週間から数ヶ月間続きます。急性気管支炎と違い感染症よりも、タバコや大気汚染が原因となるCOPD( 慢性閉塞性肺疾患)などの慢性的な病気が原因です。あらゆる検査を行って、それでもはっきりとした原因がわからないときに慢性気管支炎と診断されることもあります。慢性気管支炎の原因としては、アレルギーなどの環境的なもの、空気中の有害物質、受動喫煙を含めた喫煙で気管支に炎症が起こり、その症状が続くことがあげられます。

気管支炎の治療

急性気管支炎の治療は、基本的には対症療法になります。
気管支炎の原因に細菌感染の関与がうかがわれる場合は、抗菌薬を処方になります。
急性気管支炎の原因を特定することは大切ですが、特定困難な場合も多く、その場合、診察や検査結果を基に総合的に原因を推定して治療されるようです。
そのようなときには、対症療法をおこなうとともに、安静と十分な栄養によって免疫力を上げていくことも重要です。

【参考情報】『急性気管支炎』日本呼吸器学会
https://www.jrs.or.jp/file/disease_a03.pdf

漢方薬のアプローチ

漢方薬は、症状を見るのではなくその方の体質を見極め漢方薬を決定していきます。なので、気管支炎にはこれを使うというような病名処方ではありません。
では、漢方薬の使い分けを見ていきましょう。

①寒証による咳嗽、痰:腎虚陽虚証
麻黄、細辛、乾姜が入っている漢方薬を用います。

②熱証による咳嗽:脾虚肺熱証
麻黄と石膏がセットで入っている漢方を用います。

③風邪が治りきらず咳嗽が長引く:脾虚肝実証、肺虚肝実証(少陽病)
柴胡、黄芩などが入った漢方薬を用います。

③気滞が原因の咳嗽:肝鬱
厚朴、蘇葉、茯苓などが入った漢方薬を用います。

まとめ

咳嗽は、種類がたくさんあるために漢方薬も多くあります。どのような条件で症状が強く出るかが大事です。例えば、冷えて症状が強くなるのに冷やす漢方薬を服用すると悪化してしまいます。さらに、胃腸に負担のかかる生薬が入っている漢方薬もあるため注意が必要になります。
体質にあった漢方薬を服用すれば長引く咳も治りやすくなります。
ぜひお近くの漢方専門の医療機関へご相談ください。

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夜久漢方薬局・夜久鍼灸院 院長 夜久公也

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