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片頭痛でお困りの方へ|研究から考える「積極的に摂りたい食べ物」と食事のポイント

「天気が悪くなると頭がズキズキする」

「疲れがたまると片頭痛が起こる」

「薬を飲めば治るけれど、できれば頭痛が起こる回数そのものを減らしたい」

片頭痛でお悩みの方から、このようなご相談をいただくことがあります。

片頭痛というと「チョコレートやチーズを避けた方がいい」といった話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし近年の研究では、

「何を食べないか」だけではなく、「何を積極的に食べるか」

という視点も重要になってきています。

今回は、片頭痛と食事について、実際の研究結果をもとにご紹介します。


片頭痛と食事には関係がある?

片頭痛は単なる「頭の血管の問題」ではありません。

現在では、三叉神経系やCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)、神経炎症、脳のエネルギー代謝など、さまざまな仕組みが関係していると考えられています。

そのため、食事だけで片頭痛が治るわけではありません。

一方で、食事内容を変えることで片頭痛の回数や程度が改善した研究も報告されています。

特に注目したいのが、

①青魚などに含まれるEPA・DHA
②マグネシウムを含む食品
③ビタミンB2を含む食品
④野菜・果物を中心とした食生活
⑤規則正しい食事と水分補給

です。

順番に見ていきましょう。


①まずおすすめしたいのは「青魚」

片頭痛の方に特におすすめしたい食品の一つが、

サバ・イワシ・サンマなどの青魚

です。

青魚には、

  • EPA
  • DHA

などの「オメガ3脂肪酸」が多く含まれています。

実際に片頭痛患者を対象とした研究があります

2021年に医学雑誌『BMJ』に掲載されたランダム化比較試験では、片頭痛のある成人182人を対象として、食事中の脂肪酸を変化させる研究が行われました。

EPA・DHAを1日約1.5gまで増やした食事では、通常食と比較して1日の頭痛時間や1か月あたりの頭痛日数が減少しました。

さらにEPA・DHAを増やしながら、リノール酸を減らした食事では、より大きな改善がみられています。

ただし、頭痛による生活への影響を評価するHIT-6については、明確な改善が確認されたわけではありません。

つまり、

「青魚を食べれば片頭痛が治る」とまでは言えませんが、片頭痛の頻度を減らす食事として有望

と考えられます。

おすすめの食品

  • サバ
  • イワシ
  • サンマ
  • アジ
  • ブリ
  • サケ

などを普段の食事に取り入れてみましょう。

例えば、

「肉料理ばかりにならず、魚料理を定期的に取り入れる」

ところから始めるのがおすすめです。


②マグネシウムを意識する

片頭痛と関連してよく研究されている栄養素の一つが、

マグネシウム

です。

マグネシウムは神経の興奮や血管機能などに関係するミネラルで、片頭痛との関連について多くの研究があります。

過去のランダム化比較試験では、マグネシウムを摂取したグループで片頭痛の発作頻度が減少したという結果があります。

また、複数の研究をまとめたメタ解析でも、マグネシウムによって片頭痛の頻度などが改善する可能性が報告されています。

ただし研究結果にはばらつきがあり、

「マグネシウムを摂れば必ず片頭痛が改善する」というほど確立したものではありません。

それでも、日頃の食事で不足しないように意識する価値はあるでしょう。

マグネシウムを多く含む食品

  • アーモンドなどのナッツ類
  • ごま
  • 納豆
  • 豆腐
  • 大豆
  • わかめ
  • ひじき
  • 玄米
  • そば
  • ほうれん草

例えば、

「白米+肉だけ」

という食事よりも、

「ご飯+焼き魚+豆腐+わかめの味噌汁+野菜」

といった昔ながらの和食は、片頭痛対策としても栄養バランスの良い食事になります。


③ビタミンB2を含む食品もおすすめ

もう一つ注目されているのが、

ビタミンB2(リボフラビン)

です。

片頭痛の方では、脳のミトコンドリアにおけるエネルギー代謝の異常が関係している可能性が指摘されています。

ビタミンB2は、このエネルギー産生に関係する重要な栄養素です。

片頭痛患者55人を対象としたランダム化比較試験では、ビタミンB2を1日400mg、3か月摂取したところ、プラセボと比較して片頭痛の発作頻度や頭痛日数が減少しました。

さらに近年の複数の臨床試験をまとめた解析でも、ビタミンB2によって片頭痛の発作頻度が減少する可能性が報告されています。

ただし、ここで注意が必要です。

研究で使用されているビタミンB2の量は、通常の食品から摂取する量よりかなり多いため、「ビタミンB2の多い食品を食べれば同じ効果が得られる」という意味ではありません。

それでも、日頃から不足しないようにすることは大切です。

ビタミンB2を含む食品

  • 納豆
  • 牛乳
  • ヨーグルト
  • サバ
  • アーモンド
  • レバー

などがあります。


④野菜・果物をしっかり摂る

特定の栄養素だけでなく、

「食事全体を整えること」

についても研究されています。

その一つが「DASH食」です。

DASH食とは、

  • 野菜
  • 果物
  • 全粒穀物
  • 豆類
  • ナッツ類
  • 低脂肪乳製品

などを多く摂り、飽和脂肪などを控える食事方法です。

もともとは高血圧対策として考えられた食事ですが、片頭痛についても研究されています。

片頭痛のある女性102人を対象とした12週間のランダム化比較試験では、通常の食事指導を受けたグループと比較して、DASH食を実践したグループでは、

片頭痛の頻度と重症度がより大きく低下

しました。

そのため、片頭痛対策では特定の食品だけを食べるよりも、

「魚・野菜・果物・豆類・ナッツなどをバランスよく摂る」

という食事全体の改善が大切だと考えられます。


⑤水分不足にも注意しましょう

「忙しくてほとんど水分を摂っていなかった日に頭痛が起こった」

という経験がある方もいるのではないでしょうか。

脱水は頭痛を誘発する要因の一つと考えられています。

頭痛患者を対象として、普段より1日1.5L多く水を飲むよう指導した研究では、生活の質については改善がみられたものの、中等度以上の頭痛日数には明確な改善がみられませんでした。

そのため、

「水をたくさん飲めば片頭痛が治る」という根拠は十分ではありません。

しかし、脱水を避けること自体は重要です。

特に、

  • 夏場
  • 汗をかく仕事
  • 運動後
  • 入浴後
  • 朝起きたとき

などは、こまめな水分補給を意識しましょう。

※心臓病や腎臓病などで水分制限を受けている方は、主治医の指示を優先してください。


「食べない方がいい食品」は人によって違います

片頭痛では、

  • チョコレート
  • チーズ
  • ワイン
  • カフェイン
  • 加工肉

などが「片頭痛を起こす食品」として紹介されることがあります。

しかし、すべての片頭痛患者さんがこれらを避けなければならないわけではありません。

むしろ、

「片頭痛に悪いと言われているから」という理由だけで多くの食品を一律に禁止すると、食生活が必要以上に制限される可能性があります。

食べた物と頭痛が起きた日時を記録して、

「自分の場合は何を食べたときに起こりやすいのか」

を確認する方が現実的です。


空腹を避けることも大切です

片頭痛では、

食事を抜くことや長時間の空腹

が発作のきっかけになる方もいます。

朝食を抜いたり、昼食が夕方になったりする生活が続いている方は注意しましょう。

「何を食べるか」だけではなく、

できるだけ規則正しく食べること

も片頭痛の養生の一つです。


片頭痛の方におすすめする1日の食事例

難しい食事療法をする必要はありません。

例えば次のような組み合わせです。

朝食

ご飯
+ 納豆
+ 卵
+ わかめ・豆腐の味噌汁
+ 果物

昼食

そば
+ 野菜
+ 豆腐や魚のおかず

夕食

ご飯
+ サバ・イワシ・サケなどの魚
+ ほうれん草などの野菜
+ 豆腐・海藻類

間食

アーモンドなどのナッツ類

このようにすると、

EPA・DHA+マグネシウム+ビタミンB2+野菜・果物

を自然に取り入れやすくなります。


まとめ|片頭痛の食事で意識したい5つのこと

現在の研究結果から考えると、片頭痛の方には、

①サバ・イワシなどの青魚を取り入れる
②豆類・海藻・ナッツなどからマグネシウムを摂る
③卵・納豆・魚などからビタミンB2を摂る
④野菜・果物をしっかり食べる
⑤食事を抜かず、水分不足を避ける

という食生活がおすすめです。

特に「青魚を増やす食事」については、片頭痛患者を対象とした比較的しっかりした臨床試験があります。

一方、

食事はあくまで片頭痛対策の一つです。

食事だけで治療できるとは限りません。

頭痛の頻度が多い場合や、今までとは違う強い頭痛がある場合には、自己判断せず医療機関を受診することが大切です。


漢方では「頭痛のタイプ」をみて考えます

漢方では、片頭痛だから全員に同じ漢方薬を使うわけではありません。

例えば、

  • 雨の日や低気圧で悪化する
  • 冷えると頭痛が起こる
  • 月経前後に悪化する
  • 肩こりと一緒に頭痛が起こる
  • ストレスがたまると頭痛が起こる
  • 胃腸が弱く、頭痛とともに吐き気がする

など、同じ片頭痛でも症状は人によって異なります。

漢方ではこうした違いを確認しながら、体質や頭痛の原因を考えて漢方薬を選択していきます。

食事や生活習慣を整えても片頭痛を繰り返してしまう方は、一度ご相談ください。

夜久漢方では、お一人おひとりの体質や生活習慣を丁寧に伺い、その方に合った方法を一緒に考えていきます。


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夜久漢方薬局・夜久鍼灸院 院長 夜久公也

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