「疲れがなかなか取れない」
「めまいや動悸がする」
「夜ぐっすり眠れない」
「胃腸の調子が安定しない」
「なんとなく身体の調子が悪い」
このような症状で病院を受診しても、大きな異常が見つからず、「自律神経の乱れかもしれません」と言われたことはありませんか?
自律神経は、心臓や血圧、胃腸、体温、睡眠、発汗など、私たちが意識しなくても身体を正常に保つために働いています。
そのため、自律神経のバランスが崩れると、身体のさまざまなところに不調が現れることがあります。
今回は、自律神経の乱れが気になる方におすすめしたい食事や食生活のポイントについて、これまでの研究で分かってきていることと、漢方の考え方を交えながらご紹介します。
自律神経のために「これだけ食べればいい」という食品はありません
まず大切なのは、
「これを食べれば自律神経が整う」という特別な食品はない
ということです。
自律神経は食事だけでなく、
・睡眠不足
・精神的なストレス
・運動不足
・生活リズムの乱れ
・気温や気圧の変化
・ホルモンバランス
など、さまざまな影響を受けています。
そのため、特定の食品をたくさん食べるよりも、毎日の食事を少しずつ整えていくことが大切です。
その中でも、普段の食生活で特に意識していただきたいものをご紹介します。
① サバ・イワシ・アジなどの魚
まずおすすめしたいのが魚です。
特に、
・サバ
・イワシ
・アジ
・サンマ
などの青魚には、EPAやDHAと呼ばれる「オメガ3脂肪酸」が多く含まれています。
EPAやDHAについてはさまざまな研究が行われており、心拍変動など自律神経と関係する指標にも影響する可能性が報告されています。
だからといって毎日魚にする必要はありません。
まずは週に2~3回、肉料理を魚料理に変えてみる
くらいから始めてみましょう。
調理が大変な場合には、サバ缶やイワシ缶などを上手に利用していただいても構いません。
② 野菜・きのこ・海藻類
次に意識していただきたいのが、
野菜・きのこ・海藻類
です。
これらには、ビタミンやミネラルだけでなく、食物繊維も豊富に含まれています。
近年では、腸と脳がお互いに影響し合う**「腸―脳相関」**についての研究が進んでいます。
腸と脳をつなぐ仕組みには自律神経も関係しているため、腸内環境を整えるような食生活は、身体全体の健康を考えるうえでも大切です。
難しい料理を作る必要はありません。
例えば、
・わかめと豆腐の味噌汁
・きのこの炒め物
・ひじきの煮物
・具だくさんの豚汁
・野菜の煮物
など、昔からある日本の食事で十分です。
③ 納豆・味噌などの発酵食品
腸内環境を考えるうえでは、
納豆・味噌・ヨーグルトなどの発酵食品
も取り入れてみましょう。
発酵食品や食物繊維を多く含む食生活と、腸内細菌やストレスとの関係についても研究が行われています。
ただし、
「ヨーグルトを食べれば自律神経が整う」
という単純な話ではありません。
発酵食品だけをたくさん食べるのではなく、野菜や豆類、きのこ、海藻などと組み合わせながら、普段の食事の一部として取り入れることが大切です。
④ 豆類・ナッツ・海藻類
自律神経の不調が気になる方には、マグネシウムも不足しないように意識したい栄養素です。
マグネシウムは、神経や筋肉が正常に働くために必要なミネラルです。
例えば、
・納豆
・豆腐
・大豆
・アーモンド
・ごま
・わかめ
・ひじき
・玄米
などに含まれています。
サプリメントだけに頼るのではなく、まずはこうした食品から少しずつ取り入れてみましょう。
⑤ 食べ過ぎにも注意しましょう
「何を食べるか」と同じくらい大切なのが、
一度に食べ過ぎないこと
です。
例えば、
「ラーメン+チャーハン」
「ハンバーガー+ポテト+ジュース」
「菓子パン+甘い飲み物」
といった食事では、一度に多くの糖質や脂質を摂ることになります。
食事をすると消化や吸収のために身体の働きが変化し、自律神経活動も食前とは変わります。
特に、
「食べるとものすごく眠くなる」
「食後に動悸がする」
「食べると身体が重だるくなる」
という方は、何を食べているかだけでなく、一度に食べる量も見直してみてください。
まずは「腹八分目」を意識してみるとよいでしょう。
漢方では「自律神経の乱れ」をどう考える?
漢方では、
「自律神経失調症だから、この漢方薬」
とは考えません。
同じ「自律神経が乱れている」と言われた方でも、現れている症状や身体の状態は一人ひとり違うからです。
例えば、
イライラ・緊張・気分の落ち込みが強いタイプ
ストレスが強く、
・イライラする
・気分が落ち込みやすい
・ため息が多い
・胸やお腹が張る
・喉に何か詰まった感じがする
といった症状がある方では、漢方でいう**「気」の巡りが悪くなっている状態**を考えることがあります。
このような場合には、香りのよい野菜や柑橘類などを食事に取り入れることもあります。
疲れやすく胃腸が弱いタイプ
一方、
・疲れやすい
・食欲がない
・食後に眠くなる
・胃もたれする
・下痢や軟便になりやすい
という方では、漢方でいう**「脾胃(ひい)」の働きが弱っている状態**を考えることがあります。
漢方では胃腸を、単に食べ物を消化するだけでなく、食べたものから身体を動かすための「気」や「血」を作る大切な場所と考えます。
そのため、このタイプの方には「栄養のあるものをたくさん食べる」よりも、
温かく、消化しやすいものを適量食べる
ことをおすすめする場合があります。
不安・動悸・不眠が強いタイプ
「夜になると色々考えて眠れない」
「ちょっとしたことでドキドキする」
「夢をたくさん見る」
といった方もいらっしゃいます。
このような場合には、単なるストレスだけではなく、漢方では「気」や「血」の不足など、身体全体の状態を確認しながら原因を考えていきます。
「身体に良い食品」が、全員に良いとは限りません
漢方相談をしていると、ここはとても大切だと感じます。
例えば、
「野菜が身体に良いから、毎日たくさんサラダを食べています」
「腸活のために毎朝ヨーグルトを食べています」
という方がいらっしゃいます。
もちろん、野菜やヨーグルトそのものが悪いわけではありません。
しかし、もともと胃腸が弱く、
・身体が冷えやすい
・食欲がない
・胃もたれしやすい
・下痢や軟便になりやすい
という方が、冷たいものや生ものをたくさん食べると、かえって胃腸の負担になることがあります。
そのような方には、生野菜を無理に増やすよりも、
味噌汁・スープ・煮物・蒸し野菜など、温かく消化しやすい料理
の方が合っている場合があります。
大切なのは、
「身体に良いと言われているものを食べる」のではなく、「今の自分の身体に合ったものを食べる」ことです。
迷ったら「昔ながらの和食」を基本に
「色々書いてあるけれど、結局何を食べればいいの?」
という方は、あまり難しく考える必要はありません。
まずは、
ご飯+具だくさんの味噌汁+魚や肉+野菜のおかず
という昔ながらの和食を基本にしてみましょう。
例えば朝食なら、
ご飯+納豆+具だくさんの味噌汁+卵
これだけでも十分です。
昼食なら、
ご飯+焼き魚+野菜のおかず
夕食なら、
ご飯+魚や肉+豆腐+煮物+味噌汁
といった組み合わせです。
毎日完璧にする必要はありません。
まずは、
「週に何回か魚を食べよう」
「味噌汁に野菜やきのこをたくさん入れよう」
「菓子パンだけの朝食を、ご飯と味噌汁に変えてみよう」
というところから始めてみてください。
毎日の小さな積み重ねの方が、無理な食事制限を続けるよりも大切です。
自律神経の不調は、食事だけで考えないことも大切です
自律神経の調子が気になる方には、
魚、野菜、きのこ、海藻、豆類、発酵食品
などをバランスよく取り入れた食生活がおすすめです。
ただし、自律神経の不調は食事だけが原因とは限りません。
睡眠不足、ストレス、運動不足、ホルモンバランス、胃腸の状態など、いくつもの要因が重なっていることがあります。
また、めまい・動悸・強い倦怠感などは、自律神経以外の病気でも起こる症状です。症状が強い場合や長く続く場合には、「自律神経だから」と自己判断せず、一度医療機関で確認してもらうことも大切です。
漢方では、単に「自律神経を整える」というよりも、
「なぜ、この人にこの症状が出ているのだろう?」
というところから身体全体を見ていきます。
夜久薬局でも、
「眠れているか」
「食欲はあるか」
「便通はどうか」
「身体は冷えるのか、ほてるのか」
「どのような時に症状が悪化するのか」
などを詳しくお聞きしながら、一人ひとりの身体の状態に合わせて漢方薬や食生活、生活習慣をご提案しています。
「検査では異常がないけれど、なんとなく調子が悪い」
「自律神経の症状がなかなか良くならない」
という方は、食事だけで何とかしようとせず、一度ご自身の身体全体を見直してみてください。
身体の状態によって、必要な養生や漢方薬は一人ひとり異なります。
自律神経の不調でお困りの方は、お気軽に夜久薬局までご相談ください。
夜久漢方では、お一人おひとりの体質や生活習慣を丁寧に伺い、その方に合った方法を一緒に考えていきます。
夜久漢方薬局は完全予約制となっております。ご来局の際はご予約をお願いいたします。
予約電話番号:079-677-0056 予約可能時間:9時~19時(日曜・祝祭日は休業)
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夜久漢方薬局・夜久鍼灸院 院長 夜久公也
