「喉の奥がイガイガする」
「鼻の奥が痛い、詰まった感じが続く」
「風邪は治ったはずなのに、頭痛や倦怠感が残る」
こうした症状が長引いている方、上咽頭炎が関係しているかもしれません。
近年、耳鼻咽喉科領域だけでなく、自律神経症状・慢性不調との関連でも注目されている疾患です。
慢性上咽頭炎とは(西洋医学的な説明)
上咽頭とは、
鼻の奥〜喉の一番上にあたる部分で、呼吸・免疫・自律神経に深く関与しています。

● 上咽頭炎の主な原因
- 風邪やインフルエンザ後の炎症残存
- ウイルス・細菌感染
- 乾燥、冷気、黄砂・PM2.5
- 鼻炎・副鼻腔炎の慢性化
● よくみられる症状
- 鼻の奥の違和感・ヒリヒリ感
- 後鼻漏(鼻水が喉に落ちる)
- 慢性的な喉の痛み・咳
- 頭痛、首・肩こり
- 倦怠感、めまい、不安感
※上咽頭は迷走神経・交感神経と関係が深く、
炎症が続くことで「自律神経症状」として現れることもあります。
東洋医学からみた上咽頭炎の考え方
東洋医学では、上咽頭炎を
「局所の炎症」だけでなく、体全体のバランスの乱れとして捉えます。
関係する主な臓腑
- 肺:鼻・喉・免疫
- 脾:痰・湿・後鼻漏
- 肝:自律神経、ストレス反応
- 腎:慢性化、回復力の低下
上咽頭炎が長引く方は、
✔ 風邪の治りきり
✔ 体力・免疫力の低下
✔ ストレスや睡眠不足
が背景にあることが多くみられます。
証別にみる漢方薬の使い分け
※実際には体質・経過を詳しく確認した上で調整します
◆ ① 風熱・炎症が強いタイプ
症状
- 喉のヒリヒリ感
- 熱感、黄色い痰
- 口渇、イライラ
考え方:余分な熱・炎症を冷ます
漢方薬例
- 銀翹散
- 桔梗石膏
- 黄連解毒湯(炎症が強い場合)
◆ ② 痰湿がたまるタイプ(後鼻漏)
症状
- 鼻水・痰が多い
- 喉に何か詰まる感じ
- 胃腸が弱い
考え方:痰・湿をさばく
漢方薬例
- 半夏厚朴湯
- 二陳湯
- 六君子湯
◆ ③ 自律神経が乱れているタイプ
症状
- 喉の違和感が気になる
- 不安感、動悸
- ストレスで悪化
考え方:肝を整え、気の巡りを良くする
漢方薬例
- 抑肝散
- 柴胡加竜骨牡蛎湯
- 加味逍遙散
◆ ④ 慢性化・体力低下タイプ
症状
- 何ヶ月も治らない
- 冷え、疲れやすい
- 繰り返す上咽頭炎
考え方:体の回復力を高める
漢方薬例
- 補中益気湯
- 十全大補湯
- 八味地黄丸(腎虚が強い場合)
上咽頭炎の養生法
日常生活の見直しが、改善の鍵になります。
● 生活養生
- 冷たい飲食を控える
- 喉・首を冷やさない
- 加湿を心がける
- 夜更かしを避ける
● 声・呼吸の養生
- 無理な発声を避ける
- 鼻呼吸を意識
- マスクで乾燥予防
薬膳的アプローチ
上咽頭炎は「肺・脾」をいたわる食養生が基本です。
● おすすめ食材
- 白ねぎ、生姜:炎症・冷え対策
- 大根、れんこん:痰をさばく
- 山芋、はとむぎ:脾を補う
- 百合根、白きくらげ:肺を潤す
● 控えたいもの
- 甘いお菓子
- 冷たい飲み物
- 脂っこい食事
最後に
上咽頭炎は、
「喉の炎症」ではなく、体からのサインとして現れていることが少なくありません。
✔ なかなか治らない
✔ 検査では異常がない
✔ 自律神経症状もある
このような方こそ、漢方・薬膳・養生を組み合わせた体質改善が役立ちます。
夜久漢方薬局では、
症状だけでなく「なぜ起きているのか」を大切にしながら、
一人ひとりに合わせたご提案を行っています。
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夜久漢方薬局・夜久鍼灸院 院長 夜久公也
