「鼻づまりがずっと続く」「後鼻漏が気になる」「頭が重い感じが取れない」
このような症状が3か月以上続く場合、慢性副鼻腔炎が疑われます。
一般には「蓄膿症」とも呼ばれ、近年は大人だけでなく子どもにも増えています。
ここでは
- 西洋医学的な考え方
- 東洋医学(漢方)の視点
- 証別の漢方薬の使い分け
- 日常の養生
- 薬膳の工夫
について、漢方相談の現場目線で整理します。
西洋医学的な慢性副鼻腔炎の考え方
副鼻腔とは、鼻の周囲(頬・目の奥・額)にある空洞です。
ここに炎症が起こり、粘膜の腫れや分泌物の停滞が長期間続く状態が慢性副鼻腔炎です。

主な原因
- 急性副鼻腔炎の治りきらずの遷延
- アレルギー性鼻炎
- 鼻中隔湾曲
- 繰り返す風邪
- 最近では好酸球性副鼻腔炎も増加
代表的な症状
- 黄〜緑色の鼻汁
- 鼻づまり
- 後鼻漏
- 嗅覚低下
- 頭重感・集中力低下
西洋医学では
- 抗菌薬
- 去痰薬
- ステロイド点鼻
- 手術
などが選択されますが、再発を繰り返す方も少なくありません。
東洋医学からみた慢性副鼻腔炎
東洋医学では、副鼻腔炎を「鼻の病」だけでなく、
体全体のバランスの乱れとして捉えます。
特に関係が深いのは
- 脾(消化吸収・水分代謝)
- 肺(鼻・皮膚・免疫)
- 腎(体の深部の冷え・慢性化)
慢性化するほど
- 「痰湿(余分な水分)」
- 「熱」
- 「虚(エネルギー不足)」
が複雑に絡み合ってきます。
証別・漢方薬の使い分け
※実際には体質・症状を総合的に判断します。
① 風熱・湿熱タイプ
黄色〜緑色の粘い鼻水、熱感、頭重感
- 辛夷清肺湯
- 荊芥連翹湯
〇 炎症と熱を冷まし、膿を出しやすくします。
② 痰湿タイプ
白っぽい鼻水、後鼻漏、頭が重い、胃腸が弱い
- 葛根湯加川芎辛夷
- 半夏白朮天麻湯
〇 水分代謝を整え、鼻の通りを改善します。
③ 気虚・脾虚タイプ
疲れやすい、風邪をひきやすい、慢性化
- 補中益気湯
- 六君子湯(併用を考えることも)
〇 免疫力・回復力を底上げし、再発を防ぎます。
④ 腎虚タイプ(長期・難治性)
年単位で続く、副鼻腔炎を繰り返す
- 八味地黄丸
- 牛車腎気丸
〇 体の深部からの立て直しを図ります。
慢性副鼻腔炎の養生ポイント
日常生活の積み重ねがとても重要です。
- 冷たい飲食物を控える
- 甘いもの・脂っこいものを摂りすぎない
- 鼻・首・お腹を冷やさない
- 睡眠をしっかり確保
- 風邪をひいたら早めにケア
特に胃腸の冷え・弱りは鼻に直結します。
薬膳からみた慢性副鼻腔炎
おすすめ食材
- 白ネギ、生姜、陳皮
- 大根、れんこん
- はとむぎ
- 黒豆、黒ごま(慢性化タイプ)
控えたいもの
- 乳製品の摂りすぎ
- 甘いお菓子
- 揚げ物・冷たい飲料
〇 「痰を生まない食事」が薬膳の基本です。
まとめ
慢性副鼻腔炎は
鼻だけの問題ではなく、体質のサインでもあります。
- 西洋医学で炎症を抑える
- 漢方で体の内側から整える
この両輪で考えることで、再発しにくい体づくりが可能です。
「何年も繰り返している」
「薬をやめるとすぐ悪化する」
そのような方こそ、体質から見直す漢方相談が役立ちます。
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夜久漢方薬局・夜久鍼灸院 院長 夜久公也
